起業のお話:後悔しない社名の決め方とは?
起業を決めてから、とっても悩んだのが社名。誰もが悩むポイントなのではないでしょうか。
会社名を決めないと登記できませんし、名刺もホームページも作ることができません。
早く決めたいけれど、ずっと付き合う名前ですし、まるで子供の名前を決めるようなものだから悩んでしまいますよね。
私たちも起業にあたって、社名の決定には時間がかかりました。
振り返ってみて、後悔しない社名の決め方のポイントを書いてみようと思います。
社名を決める際に、守るべきルール
どんなに気に入った社名に出会っても、法律で定められたルールに則っていなければなりません。
まずは、守るべきルールについて。
会社の種類と、使用できる文字
商号の前後には、会社の「種類」を入れなければなりません。
例えば株式会社の場合は、「株式会社」を、合同会社の場合は「合同会社」を必ず入れます。
入れる場所は「商号の前」でも「商号の後」でも問題ありません。
響きや見た目で決めて良いです。
弊社は「合同会社」です。このスタイルを選んだ経緯については、また別に書きます。
LA BOUSSOLE合同会社
合同会社LA BOUSSOLE
と並べてみたときに、後者の響きが気に入ったので前に入れることにしました。
使える文字にも制限があります。
「☆」や「♪」など、あまり特殊な表記は認められていません。
<使用できる文字>
漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字・小文字)、アラビア数字(0, 1, 2, 3, 4, 5……)、符号
※符号の使用は、商号の先頭あるいは末尾に使用することは原則として不可。
同一の住所に同じ商号は登記できません。
同一の住所に、同じ名前の別会社は登記できません。
以前ならありえなかったことかもしれませんが、最近はバーチャルオフィスやシェアオフィスが登場していますので、同一住所に同じ商号が存在することも大いにありえるでしょう。
バーチャルオフィスやシェアオフィスの利用を検討されている場合は、すでに同一の商号が登記されていないか、問い合わせてみましょう。
類似商号は避ける
住所さえ違えば、同じ会社名を登記することは可能です。
ただし、同一もしくは類似した商号があれば、不正競争防止法により損害賠償を求められる可能性があります。
インターネットなどで検索し、同様の商号がないか確認した方がいいでしょう。
また、会社名でなくとも似たような商品名やサービスなどが存在する場合、商標権の侵害で訴えられるケースもあるので注意が必要です。
覚えておきたい4つのポイント
1. ドメインを取得できるかどうか?
ホームページは会社の窓口、営業マンとして必要不可欠です。
そのホームページの住所ともなるドメイン。
ドメインと会社名は同一である方が、より伝わりやすいです。
例えば、弊社のドメインは「laboussole.co.jp」です。
2. 社名に由来をもたせる
特に起業したばかりの頃は、会話のキッカケとして社名の由来を聞かれることが何度かありました。
その際に、理念や想いを語ることができたらお相手の心にも残るかもしれません。
可能であれば、何らかの由来があるといいですね。
弊社の場合は、社名がフランス語で「羅針盤」です。
その思いについては、当ホームページのMISSIONに載せています。
3. やりたいことを明確に表す
サービス名や商品名をそのまま社名にすれば、会社のやりたいことや方向性を明確にすることができます。
最近では、経沢香保子さんが立ち上げたベビーシッターのマッチングサービスの会社「株式会社カラーズ」をサービス名であった「株式会社キッズライン」に社名を変更した例があります。
ただし、それ以外の事業を将来的に行う予定がある場合には、注意が必要です。
4. 外国語での意味や発音も念頭に
ITやWEBの進歩に伴い、海外展開を視野に入れやすくなりました。
今後、進出したい国が決まっているならば念頭に入れておいたほうがいいのが、使用する言葉の意味です。
スラングや発音なども含めて、現地の言葉でマイナスイメージがないかどうか事前に確認しておくことをお勧めします。
ポイントは以上です。
LA BOUSSOLEは、どうやって社名を決めたのか
法律を守っていて、覚えてもらいやすくて、他とかぶらなくて、自分たちの思いを表す社名!
なんだかパンクしそうですよね。
私も考えすぎて、何が何だかわからなくなっていました。
結局、じゃあどうやって社名を思いついたのか?
なんと、煮詰まった末に遊んでいるときにぴーん、ときたのです!
そう、そこは東京ディズニーシーでした。
“Sindbad’s Storybook Voyage”というアトラクションで、ひたすら流れる曲、”Compass of Your Heart”をご存知でしょうか?
心の羅針盤を信じて、宝物を探そうよ、という歌詞です。
起業なんて考えたことがなかった自分が、いざ起業を決めたら迷って悩むことばかりでした。
どちらに進んだらいいのかもわからず、進むことだけは決めたような状態でした。
だからこそ、余計にこの名曲が心に響いたのでしょう。
アトラクションから出てきた瞬間に「コンパス!」と叫んだことを覚えています。
それまでも、何度も聴いていたんですけどね。
こんな風に、煮詰まっている時は一旦離れてみるのもいいのかもしれません。
遊ぶも良し、人と話すのもいいかもです。
実際に社名にするにあたって、それからまた紆余曲折がありました。
英語のままの「コンパス」だと、固いかな。
他にありそうだし、ドメインとれるかな?などなど。
そんな時は、いろいろな国の言語に訳してみるのもおすすめです。
私は、大学時代にフランス留学経験があり、今でも大好きな国の一つです。
そのため、最終的にはフランス語になり、響きを考慮して定冠詞もつけることにしました。
「LA BOUSSOLE」とつけた社名は、決して伝わりやすくはないです。
でも、気軽にラブソルと発音すれば「ラブ」の語感は英語の「LOVE」に通じることもあり、意外と親しみやすくない?ということで、「ラブソルの〜」と名乗っています。
終わりに
起業にあたって決めなければいけないことの中でも、大切な会社名。
社名の変更は可能ですが、後からしようとするとお金も時間もかかります。
せっかく育てたドメインのパワーがゼロになるリスクも。
主体的に決めた社名なら、名乗ったり、書いたりしているうちにものすごく愛着が湧いてくると思います。
起業をお考えの皆様が、これだ!と思える素敵な社名に巡り会えますように。
ぜひ、後悔しない社名選びを!